子どもが不登校になると、
「ありのままのわが子を受け容れてください」
とアドバイスをもらうことが多いと思います。
でも、これが本当に難しい。
学校に行かない、元気がない子どもを見ていると、イライラしたり苦しくなったり余計なことを言ってしまったり。
ときには、頭がマグマのように熱くなり、カッとなって怒ってしまう。
「あぁ、またやってしまった…」と受け容れられない自分を責めてしまうことも多いでしょう。
今回はありのままのわが子を受け容れる方法についてわたしの考えをまとめました。
難しいけどすごくすごく大切なことだと思うので、最後までご覧ください。
肩の力を抜いて読んでいただけると嬉しいです。
- ありのままのわが子を受け容れるためには、親自身がありのままの自分を受け容れることが大切
- 自己受容の第一歩は、ありのままの感情や思いをそのまま感じること
- 自己受容は簡単なことではない
- 年単位の時間がかかることも多い
- それでも繰り返し繰り返し自分に寄り添うことが自分を許すことにつながる
- 子どもと一緒にゆっくりじっくり少しずつ成長していこう
ありのままのわが子を受け容れるには?【結論:親自身の自己受容】
結論からいうと、まずは親自身がありのままの自分を受け容れること。
これが子どものエネルギー回復の鍵になると思っています。
「自分を好きになろう!」と言っているわけではありません。
自己肯定感を上げるわけでもありません。
ただただ、今の自分をそのまま受け容れることが求められます。
いわゆる「自己受容」と呼ばれるものですね。
人は自分を大切にできて、はじめて相手を尊重できます。
自分を犠牲にしてまで相手の欲求を満たそうとすれば、我慢とストレスが積み重なり、いつかは爆発してしまうでしょう。
「子どもを見守らなきゃ」と我慢して、ストレスをためて、定期的に大噴火してしまうのは不登校あるある。
自分で自分にOKを出せないから、他人の言葉や評価に振り回されたり、人と自分を比べて焦ったり妬んだり落ち込んだり…。
自己否定が強く、無意識に相手をコントロールしてしまったり…。
さらに、行動や選択をした後も「これでよかったのだろうか」という迷いが、頭のなかをずっとグルグル。
このように自分の気持ちを抑えてしまう人は、子どもの頃から“いい子”だった場合が多いです。
- 子ども時代、厳しく躾けられた
- 過干渉に育てられた
- 愛情を感じられなかった
- 期待に応えないと親が不機嫌になる
- 親の顔色をうかがって生きてきた
- 親の期待に応えようと頑張ってきた
- 他人の期待にも応えようとしてきた
- 世間や親、周りのために生きてきた
あとは、毒親に育てられた場合ですね。
厳しく育てられた人は、簡単に学校を休む子ども、自由にゲームをしている子どもをみるとモヤモヤが止まらないかもしれません。
「こうあるべき!」を信じて、ずっと人のために頑張ってきたので、自分を大切にする感覚を得るには時間がかかるかもしれません。
それでも大丈夫。
繰り返し繰り返し自分に寄り添い続けることが、ありのままの自分を受容することにつながります。
自己受容ができれば、自然と相手のことも尊重できるように。
わが子も丸っと受け容れられるようになるでしょう。
ずっと抑え込んできたインナーチャイルドを癒せば、
- 考え方が柔軟になる
- いい意味で諦められる
- 自分軸で生きられる
などのメリットもありますよ。
以下では、今日から具体的にできることを紹介していきます。
どうやって受け容れたらいいの?
自己受容の第一歩は、Twitter(X)に吐き出すようなありのままの感情や状態、思いをそのまま受け容れること。
- 不安でオドオドしている自分
- 未来が真っ暗だと思い込んでいる自分
- このままじゃ将来が…と悲観している自分
- すべてが心配で心配で仕方ない自分
- 心配オーラを消せない自分
- 子どもを心から信じられない自分
- 「子どもの人生」と割り切れない自分
- 子どもにうまく寄り添えない自分
- どうしても子どもを受け入れられない自分
- 一喜一憂がやめられない自分
- 学校に行ってほしいと思っている自分
- せめて勉強だけは…と思っている自分
- 甘え?サボり?と疑ってしまう自分
- 根性論が捨てられない自分
- もうちょっと頑張れよと言いたくなる自分
- わたしのころは…と考えてしまう自分
- 「◯◯すべき」に縛られている自分
- 子どもにイラついてしまう自分
- 過干渉気味にあれこれ言ってしまう自分
- 余計なことを言い罪悪感でいっぱいの自分
- キラキラした同級生をみて羨ましく思う自分
- 知り合いに嫉妬してしまう自分
- 他人の幸せを受け入れられない自分
- 悪口を言いたくなる自分
- ネガティブ思考が炸裂している自分
- 制服姿の学生をみて涙が出てくる自分
- こんなはずじゃなかった…と悲しい自分
- 引きこもりなんて…と感じてしまう自分
- 青春をゲームばかり…と虚しくなる自分
- 世間体が気になる自分
- 周りの人の言葉にやられてしまう自分
- 世界がみんな敵に感じてしまう自分
- 初期対応に失敗した自分
- 今までの子育てを後悔している自分
- 私が親じゃなければ…と責めてしまう自分
- 逃げ出したいと思っている自分
- 子育てを放棄したいと思っている自分
- 家に帰りたくない自分
- 子どもの顔をみるのが憂鬱な自分
- 死んだほうがマシと考えてしまう自分
- 弱くてとことんイヤになる自分
- 上手くできない自分を否定してしまう自分
- 人の不幸にホッとしてしまう自分
これは一例ですが、すべての自分に
大丈夫大丈夫
それでOKだよ
と伝えてあげてほしいんです。
先ほども述べたようにお父さんお母さん自身の育てられ方や性格、今まで培ってきた価値観があるので、そう簡単には受け容れられないと思います。
- 考えるのは苦しい、辛い
- 自分に優しくすることに罪悪感
- こんなこと本当に意味があるのか
など、いろいろ思うこともあるでしょう。
それでも、繰り返し繰り返し自分を許してあげてください。
「そう思うのも当然だよ」「仕方ないよ」「辛かったね」「苦しかったね」と共感する言葉をかけてあげてください。
嫉妬したって否定したっていい。
ネガティブな考えは悪いことじゃない。
すぐにはうまくいかなくて当然。
心の中なら何を思ったって自由。
自分の気持ちに寄り添い、自分を許してあげること。
これが結果的にありのままのわが子を受け容れることにつながると思っています。
これらの感情や気持ちは、できるだけ書き出すことをおすすめします。
ノートやスマホのメモなどなんでも構いません。
わたしも自己受容やトラウマ克服のために、ありのままの感情を味わうことが多いですが、外在化にはすごく効果を感じています。
外在化させることで、頭のなかのグルグル思考がスッキリ。
書き切ったら、最後に「それでいいんだよ」「キツかったね」と自分にメッセージも送るようにしています。
本当に効果があるのか?と疑っている人も、騙されたと思いつつ、まずは試してみてくださいね。
「◯◯すべき」「◯◯しなければ」などのルールや制限を減らすことも意識してみましょう。
言い方はよくないですが、こういうルールってほとんどが自分勝手な思い込みなんですよね。
無意識に縛りつけている「べきべき思考」に気がつき、一旦ポイしてみることも大切ですよ。
自己受容を深めたい人へ
さらに自己受容を深めるために、おすすめの方法を2つまとめていきます。
共感できる仲間とつながる
Twitter(X)や親の会などを通して、共感できる仲間とつながることもいいでしょう。
第三者から共感してもらえたり寄り添ってもらえたりすることはメリットがいっぱい。
細かい事情は違っても、不登校の親の多くは似たような悩みを抱えていますからね。
自分だけじゃないんだ
みんなもそう感じてるんだ
と思えるだけでも、自己受容に一歩近づけます。
ありのままの感情で楽しむ
おそらく「いい子」タイプだったあなたは、自分を抑圧して生きてきたと思います。
「将来のために勉強」
「いい大学に行くことが幸せ」
などの社会通念にとらわれ、遊びよりも勉強を優先したり、やりたいことを我慢したり。
でも、これからは自分のありのままの感情にしたがって楽しむことを大切にしてほしいです。
- ワクワクするものは?
- 心が踊るものは?
- 楽しいことは?
もしかしたら、すぐには見つからないかもしれません。
長い間、自分の気持ちを抑えてきたので無理もないでしょう。
時間はかかっても大丈夫。
何回も自分の心に問いかけることで、ワクワクするもの・楽しめるものを見つけてほしいと思います。
実際にわたしは不登校中、勉強から離れて粘土や工作などを子どものように無邪気に遊びました。
あとはガチャガチャを10回以上やったり、満足するまでUFOキャッチャーをやったり。
大きくなったからできることも増えて、ふざけたことも本気でできて、面白かったです。
無意識に抑えこんでいる
「あれやっちゃダメ」
「これやっちゃダメ」
に気がつき、抑圧を解放すること。
心が広がったぶんだけ子どもにも他人にも、そして自分にも寛容になれるはずです。
【追記】本で気づきを得る
なかなか子どもを受け容れられない・信じられない場合、
- 発達性トラウマ
- アダルトチルドレン
- 愛着障害
などに当てはまることがあります。
本を読んでみると、
「自分ってこうだったのか〜」
と腹落ちし、セルフケアのヒントをもらえることもあるでしょう。
- なんとなくモヤモヤ
- 生きづらい
- 劣等感がある
そんな人は、気づきを得るだけで、だいぶ心が軽くなるかもしれません。
まとめ:まずはありのままの感情や思いをそのまま受け容れてみよう
- ありのままのわが子を受け容れるためには、親自身がありのままの自分を受け容れることが大切
- 自己受容の第一歩は、ありのままの感情や思いをそのまま感じること
- 自己受容は簡単なことではない
- 年単位の時間がかかることも多い
- それでも繰り返し繰り返し自分に寄り添うことが自分を許すことにつながる
- 子どもと一緒にゆっくりじっくり少しずつ成長していこう
自分を受け容れるまでには、いろんな葛藤があるでしょう。
でも、その葛藤や悩みがあってこそ、人は成長できると思うんです。
人間は完璧じゃありません。
ポンコツで欠けてるところがあって普通。
そんな自分を「ダメだ」って責めるよりは、「これが人間だもの」と受け容れてみましょう。
そうすることで、いつもより少しだけ自分を大切にできると思います。
自己受容ができるまで何年かかってもOK。
子どもと一緒に成長していくつもりで、ゆっくりじっくり自分に寄り添ってもらえたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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