不登校になって、しばらく経つと
- 急にやる気がすごい!
- 急に学校に行けるようになった!
- 急に勉強を始めた!
そんな瞬間が訪れるかもしれません。
親からしたら「復活バンザイ!」と、嬉しい気持ちになると思います。
しかし、残念ながらたいていの場合はすぐに電池切れに…。
疲れ切って落ち込んで部屋にこもる。
イライラして喧嘩腰に突っかかってくる。
悪夢再来?
またゼロからのスタート?
と絶望するお母さんお父さんも多いでしょう。
今回は元不登校のわたしが体験談をもとに、不登校の回復期に逆戻りする理由と心構えをまとめていきます。
不登校の回復期に逆戻りする理由
不登校の回復期に逆戻りする理由を3つのタイプに分けてまとめていきます。
罪悪感タイプ
不登校になってからしばらく経ち、それなりに安心した環境で休んでいるとエネルギーがたまってきます。
そうすると、罪悪感や将来の不安から学校や勉強に気持ちが向くように。
急に登校を始めることも多いでしょう。
しかしながら、このタイプは親の顔色をうかがい、エネルギーが50%くらいの段階で動き始めています。
お母さん学校に行ってほしそうだし…
もうそろそろ学校に行かないとダメだよね…
とギリギリの状態で活動しているため、すぐにエネルギーが枯渇してしまうでしょう。
わたしの経験からすると、エネルギーは150%くらい備蓄していないと、あっという間になくなってしまいます。
- 不安や罪悪感
- 親への気遣い
からゆっくり休めないので、エネルギーがたまるスピードも遅いです。
これだけ聞くと、親の学校行け行けオーラが悪いと感じるかもしれません。
しかし罪悪感だって動き出すきっかけになる。
そのまま登校を続けることもあるので、一概に悪いとはいえないと思います。
行け行けオーラが出てるかも?
と心配な人は一応このあたりの記事もチェックしてもらえるとありがたいです。
こんな生活は嫌だタイプ
たっぷりとお休みをして、飽きるほどゲームをして、不登校の自分をそれなりに受け入れたうえで、
「もうこんな生活は嫌だ!」
と急に学校に行くタイプもいます。
このタイプはエネルギーが100%、それ以上たまっているのでかなり元気です。
ところが、今までの遅れを取り戻そうと信じられないくらい頑張るので、エネルギーも一瞬でなくなります。
「もう少しゆっくりやりなよ…」
と言いたくなるかもしれませんが、せっかくやる気がある子どもを止めるのは困難です。
エネルギーの使い方や疲れないペースを学んでいくことも必要。
時間はかかっても、ここでしっかり自分と向き合うことが将来につながると思います。
わたしも何回か失敗を繰り返すことで、無理しないペースを学びました。
自分を知らないタイプ
そもそも一般的な学校が向いていない子もいます。
たとえ充電がMAXでも、合わないところで過ごしていればどんどんエネルギーを消耗するでしょう。
「普通」や「みんな」にとらわれているうちは、
エネルギーをチャージして使い果たして…
を繰り返すと思います。
このタイプは気質や体質、特性、トラウマなどに向き合って、
- 生きやすいコツを身につけたり
- 生きやすい環境を見つけたり
することが大事です。
ただし、最初から完ぺきに向き合える人はいません。
失敗を繰り返しながら少しずつ自分を知っていくので、焦らずいきましょう。
ときには、視野を広げる出会いや体験・視点を変える声かけも大切だと思います。
トラウマなどは時間でよくなることもありますが、ときには積極的なケアが必要なことも。
わたしはこういう本で自分と向き合い、環境を調整しながらセルフケアをして、トラウマを克服してきました。
『「これでいい」と心から思える生き方』以外は不登校時代に読んだわけではありませんが、ここ数年の本だったら上の4つがおすすめです。
今も100%大丈夫!とは言えませんが、ほどよく一般レールに戻りつつ、ほどよく自分なりに生きられています。
最近は悪夢も見ません。
小学生には難しい内容もあるので、親が噛みくだいて説明やアドバイスをするといいでしょう。
まずはお母さんお父さんが読んで、その内容を「視点を変える声かけ」や「雑談」のなかに取り入れてもらえればと思います。
不登校の回復期に逆戻りするのは前に進んでいるサイン
結論からいうと、不登校の回復期に逆戻りするのは前に進んでいるサインです。
不登校から回復する過程はまるで波のよう。
上がっては下がり上がっては下がりを繰り返します。
最近いい感じと思っていればドーンと下がるし、もうダメだと思っていたら急に元気になるものです。
絶対に一直線には進めません。
わが子が不登校になったらこの波を覚悟して、長い目で見守ることが大切だと考えています。
また悪くなるんだろうな、また元気になるんだろうなとわかっていれば、少し心に余裕ができるはず。
波がくるということは、少しずつ前進している証拠でもあります。
波を避けようと思わないで、正面から立ち向かっていきましょう。
1つ1つ乗り越えるごとに、子どもは確実に成長していきますよ。
3歩進んで2歩下がるのが当たり前。
ゆっくり焦らず進んでくださいね。
きっと、立ち直りは以前よりも早くなっていると思います。
これからは
- 朝ごはんを食べられた
- 日光を浴びられた
- 散歩に行けた
- 外出できた
- 少し運動できた
- 1ページでもドリルを進められた
- 部屋から出られた
- 家族とお茶タイムを過ごせた
- 手伝ってくれた
- 優しい言葉をかけてくれた
こんなふうに、日常の小さなことにも「価値」を見出しながら
あれ、前よりも早く元気になってる!
前よりもできることが増えてる!
と成長を実感してもらえたら嬉しいです。
逆戻りしたときの対応&心構え
最後に、不登校の回復期に逆戻りしたときの対応&心構えをまとめていきます。
期待しすぎない
子どもにいい変化が起きたり、できることが増えたりすると、急に高望みをしてしまうことがあります。
とくに意識していなくても、自然と「もっともっと」という思いが湧き出て
ママの期待に応えられない…
とわが子を苦しめてしまうかもしれません。
あれだけ辛い日々を乗り越えてきたので「ついに!」と思う気持ちもわかりますが、ここからが本当のスタート。
- 不登校からの回復には波がある
- 逆戻りして当たり前
だと覚悟しておくことが重要です。
落ち込みすぎない
子どもが元気になってくると、
「やっと動き出した!」
「このまま復活しますように!」
と強く願うと思います。
期待が大きいぶん、逆戻りしたときは雷に打たれたような衝撃でしょう。
そして一気に力尽きてしまう…。
親ですから子どもの元気がなければ落ち込むし、感情に振り回されるのも当然です。
でも学校に行くか行かないかは子どもの課題。
落ち込みすぎると、子どもも罪悪感や不安でいっぱいになってしまいます。
いつも通りに対応できるよう
- SNSで感情を吐き出したり
- 信頼できる人に話を聞いてもらったり
セルフケアを大切にしてください。
充電スポットを用意しておく
何回失敗しても、何度挫折しても、安心できる充電スポットがあればまた元気になります。
「これは難しいだろうな〜」
「失敗するだろうな〜」
「本当は学校に行ってほしいな〜」
と思っても、わが子の選んだ道を尊重してあげてください。
失敗してもOKくらいの感覚で、いつでも安心して休めるあたたかい場所を用意することが親にできることではないでしょうか。
伝えるべきことは伝える
- 学校に行ってほしい
- これ以上逆戻りしてほしくない
- もうあの頃には戻りたくない
という思いから、子どもに気を遣っている家庭も多いでしょう。
腫れ物に触るような対応や、奴隷のような従属関係になっている家庭もあるかもしれません。
気持ちは理解できますが、このような状態は不健全です。
子どもにとってもよくありません。
伝えるべきことがあれば、アイメッセージ(ママはこう思う)やお願いのかたちできちんと伝えること。
そのときはイラついたり癇癪を起こしたりするかもしれませんが、押しつけではない「お願い」や「気持ち」なら、スッと子どもの心に響くものです。
親にできることは限られていると自覚
子どもが逆戻りすると、励ましたり、応援したり、アドバイスしたり、親が頑張ればどうにかなるんじゃないかと思いがちです。
しかしながら、それで「学校に行こう!」「勉強も頑張ろう!」となることは滅多にありません。
親にできることは
- 充電スポットの整備
- 共感・寄り添い・傾聴
が基本でしょう。
親にできることは限られていると自覚し、余計なことをしないことが大切です。
不登校の回復期に逆戻りする理由まとめ
- エネルギーが少なかったり、急に頑張りすぎたりすると一瞬で電池切れ
- 不登校の回復期に逆戻りするのは前に進んでいるサイン
- 不登校の回復過程では、3歩進んで2歩下がるのが当たり前
- ゆっくり焦らず進もう
【対応&心構え】
- 期待しすぎない
- 落ち込みすぎない
- 充電スポットを用意しておく
- 伝えるべきことは伝える
- 親にできることは限られていると自覚
この記事が少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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